プロポリスの手引き

ゴマグリナンの1種であるセサミン

1.セサミンはゴマリグナンの一種

ゴマは必須アミノ酸を含むタンパク質や不飽和脂肪酸を含むほか、ビタミンやミネラル類をバランスよく含んだ食品です。
そのゴマにはセサミンなどのゴマリグナンという抗酸化物質が含まれているため、活性酸素の活動を抑えたり老化を遅らせたりする効果が期待できます。
ゴマリグナンの50~60%を占めるセサミンは、いわばゴマリグナンの主成分ともいえ、肝臓内で抗酸化作用を発揮する特性があるほか、女性ホルモンの代わりとしても作用するのです。
この記事では、ゴマリグナンの一種であるセサミンに焦点を当ててご紹介します。

2.ゴマリグナンとは

ゴマリグナンとは、ゴマに含まれている特有の微量成分で、その代表的なものにセサミンが挙げられます。
ゴマの成分の50~52%は脂質で、中でもリノール酸やオレイン酸といった常温で液状を保つ不飽和脂肪酸で構成されているのが特徴です。
脂質に次いで多い成分はゴマの約20%を占めるタンパク質で、セサミンなどのゴマリグナンは全体の1%に過ぎない成分ですが、人体に有益な作用を発揮することが分かっています。
そもそもリグナンとは、植物にのみ含まれる高い抗酸化作用を持つ成分である「ファイトケミカル」の一つです。
主に皮や種などに多く存在する色素や苦味、えぐみや渋味、香りなどの成分となるファイトケミカルは、広義ではポリフェノール類に分けられています。
リグナンはゴマだけでなく、アマニやマメ科の植物、カボチャやヒマワリの種、全粒穀物や野菜・果実といった植物由来の食品にも含まれます。
ゴマリグナンは、ゴマを炒ったり擦ったりすることで化学変化を起こし、セサミンなどの成分に変性して抗酸化作用などを発揮することになるのです。

3.ゴマリグナンの働きについて

3-1.抗酸化作用
ゴマリグナンの主な作用に挙げられるのは、活性酸素を除去する抗酸化作用です。
そもそも活性酸素は、病原菌の感染防御や栄養分の代謝などに作用する、人体の生命維持に必要な物質ですが、体内で適量以上に発生すると自身の細胞を傷つけてしまう場合があります。
この酸化が人体に及ぼす悪影響は老化の助長、高血圧や動脈硬化、ガン、脳神経や呼吸器・消化器の疾患など、非常に多岐にわたります。
抗酸化物質であるゴマリグナンの中でもセサミンは、肝臓につながる静脈である門脈から摂り込まれる性質があり、肝臓内で直に活性酸素の消去に作用する非常に特異な成分です。
セサミンの持つ特性や抗酸化作用によって、体内で多量に活性酸素を発生する肝臓に働きかけてその除去をおこなうため、老化防止やさまざまな疾患の予防に大きく役立っているわけです。

3-2.植物性エストロゲンとしての働き
セサミンなどのゴマリグナンは、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)によく似た働きをするため、「植物性エストロゲン」とも呼ばれています。
一般に女性ホルモンとは、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類を指し、それぞれ担う役割が異なっています。
エストロゲンは女性らしい身体づくりや、脳や自律神経系の機能を整えるなどの作用があり、プロゲステロンは月経や妊娠に関わる働きをしています。
女性ホルモンは常に分泌されているわけではなく、必要な時に脳の視床下部から脳下垂体に指令が出され、それを受けた卵巣によって分泌されます。
このメカニズムが正常に機能していれば、女性の身体は妊娠に備えた月経の周期も正しく起こるわけです。
しかし、女性ホルモンの分泌はストレスに弱いため、外部から強いストレスを受けていたり生活リズムが乱れていたりすると、その分泌バランスも簡単に乱れてしまうのです。

3-2-1.エストロゲンの過不足のバランスを取る働き
セサミンなどのゴマリグナンは構造がエストロゲンと似ているため、体内でその代わりとなって作用すると考えられています。
エストロゲンが体内で作用するには女性ホルモン受容体との結合が必要で、構造がエストロゲンに近いセサミンなどは受容体と結びつけるのです。
エストロゲンは性成熟期に当たる20~30代には活発に分泌されますが、閉経を迎える準備期に入る40代半ば以降は、卵巣機能の衰えと共に急激に分泌量が減る性質があります。
この年代は一般に更年期と呼ばれ、その特有の症状はエストロゲンの急激な減少で引き起こされる場合がほとんどです。
エストロゲンの不足が続くと受容体に空きが生じることになりますが、セサミンの摂取でその空きを埋められるため、十分な量のエストロゲンが分泌されていると視床下部が判断し、結果的に更年期などの諸症状が緩和されることにつながります。
一方で、不足分を補う働きとは逆に、血中のエストロゲン濃度が高い場合にはその分泌を抑えてバランスを取る作用もあります。
ゴマリグナンが持つエストロゲン分泌の抑制作用は、乳ガンや子宮ガンといったホルモンに関連するガンの発症リスクを軽減することがわかっています。
セサミンなどのゴマリグナンは、女性の健康に大きなメリットがあるため、適度な摂取を心がけるのがおすすめです。