プロポリスの手引き

ゴマに含まれているセサミン以外の栄養素(鉄分)

1.ゴマに含まれているセサミン以外の栄養素(鉄分)

ゴマには抗酸化成分のセサミンをはじめ、脂質やビタミンなど多様な栄養素が含まれているため、さまざまな健康効果が期待できます。
また、複数のミネラルを含んでいるゴマには、貧血予防に有効として一般に知られている鉄分も含まれています。
鉄分は正常な身体機能を保つために必要な栄養素ですが、十分な摂取が難しく、不足しがちなのが難点です。
鉄不足が起こるのは、鉄の含有量の多い食品自体が少ないことが原因のひとつですが、ゴマは鉄分の利用を助ける栄養素も含んでいるため、摂取不足を補うために適した食材といえるのです。
この記事では、ゴマに含まれている鉄分の働きについてご紹介します。

2.ゴマに含まれている鉄分とは

鉄分とは、人体内に3~4g存在し、主に赤血球を作るために必要な成分です。
酸素と結びつきやすい物質である鉄分の60~70%は「機能鉄」と呼ばれ、赤血球内のヘモグロビンの構成成分となり、肺で取り込んだ酸素を全身の細胞や組織に供給する役割を担っています。
それ以外の30~35%は、機能鉄の不足に備えて肝臓や骨髄に蓄えられる「貯蔵鉄」となり、機能鉄が不足すると血中に放出されて利用される性質があります。

2-1.鉄分の種類と吸収について
鉄分は小腸で吸収される必須ミネラルですが、その吸収率は平均で約8%と低く、ビタミンAやヨウ素と並び三大欠乏微量栄養素のひとつに挙げられ、世界的に不足している栄養素です。
栄養素としての鉄は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2つに分けられ、含まれている食品や吸収率がそれぞれ異なっています。
ヘム鉄は肉類や魚介類などの動物性食品に含まれる成分で、吸収率は約10~30%と、非ヘム鉄の吸収率より優れています。
ヘム鉄はグロビンというタンパク質と結びついた形で存在しているため、非ヘム鉄と比べ吸収率が5~6倍高くなっているのです。
一方の非ヘム鉄は野菜や穀類など植物性食品に含まれ、吸収率は約5%ですが、体内での必要量に応じて吸収率が左右される性質があります。
非ヘム鉄は、日本人が食事から摂取する鉄分の85%以上を占めていますが、吸収される際に食物繊維やタンニンなどの成分から吸収阻害を受けてしまいます。
そのため、ビタミンCやタンパク質など、吸収を助ける成分と同時に摂る必要があるのです。

2-2.鉄分不足の影響について
鉄分の欠乏による代表的な症状は貧血で、その90%は鉄分不足によって起こります。
血中のヘモグロビンの量が減って血液が十分な酸素を全身に供給できなくなり、酸欠状態になることで頭痛やめまい、動悸や息切れ、だるさや疲れなどの症状が現れます。
酸素を運搬するために働く機能鉄が不足すると、貯蔵鉄が血中に放出されてその不足分を補いますが、貧血はその貯蔵鉄の欠乏後に初めて起こる症状なのです。
機能鉄が欠乏する鉄欠乏性貧血の症状が現れた時には、すでに貧血予備軍といえる状態ですが、特に目立った症状が現れないためほとんど自覚できません。
しかし、女性であれば月経前後に体調不良となったり、妊娠時に貧血になりやすかったりするほか、運動能力や認知機能が低下したり、免疫力が下がったりするなどの状態に陥ってしまうのです。

3.ゴマには鉄分の働きを助ける栄養素が含まれている

鉄の吸収・排泄はいずれも1mg/日と少量ですが、そもそも鉄分の含有量が多い食品が少なく必要量を得にくいことや、月経や妊娠・授乳、運動といった影響で体内から多量の鉄を失ってしまう場合があります。
鉄分の需要と供給のバランスが崩れて鉄不足が生じてしまい、一旦でも不足状態に陥ると、一時的に補っただけでは体内の鉄分量は増えないため、安定させるには継続的な摂取が必要です。
とはいえ鉄だけ摂れば解決するわけではなく、赤血球を作るにはビタミンAやB12、銅やビタミンE、タンパク質などの栄養素も必要とされます。
中でも銅は、鉄をヘモグロビン合成に利用できる形に変換するセルロプラスミンというタンパク質の構成成分となって貧血予防に貢献しています。
ゴマはビタミンEや銅、亜鉛やタンパク質など、鉄分と協力して赤血球の生成に必要な栄養素を含んでいるため、貧血予防に適した食材といえるのです。

3-1.ゴマの鉄分の吸収率を高めるには
ゴマに含まれている非ヘム鉄は、肉類や魚介類などに含まれるヘム鉄に比べ吸収率が劣りますが、食べ合わせによって吸収率を高められます。
ゴマの鉄分の吸収率を高めるには、動物性タンパク質やビタミンC、クエン酸と一緒に摂るのがおすすめです。
鉄が体内で吸収されるには、胃酸によってイオンの形に変性する必要があり、二価鉄と三価鉄がある鉄イオンのうち吸収されやすいのは二価鉄です。
食品中の鉄は一般的に三価鉄のため、ビタミンCを一緒に摂ると、その還元作用を受けて二価鉄に変性し、吸収されやすくなると考えられています。
また、クエン酸などの果実酸には、ミネラルを包み込んで吸収しやすい状態に変えるキレート作用が備わっているため、鉄の吸収を促すのに効果的です。
ゴマに含まれている鉄分の吸収率を上げるには、摂る際にこのような工夫を心がけるとよいでしょう。