プロポリスの手引き

ゴマに含まれているセサミン以外の栄養素(脂質)

1.脂質も大切な栄養素

ゴマにはセサミン以外にもさまざまな栄養素が含まれており、中でも脂質はゴマの約50%を占める、もっとも含有量の多い成分です。
脂質と聞くと「太る」「身体に良くない」といったイメージを抱きがちかもしれませんが、不足すると便秘や肌荒れ、ホルモンバランスの乱れなどにつながるのです。
数多くの種類が存在する脂質には、健康に有益な効能をもたらすものがあるため、その種類を見極めて必要量をバランスよく摂り入れるのをおすすめします。
この記事では、ゴマに含まれている脂質についてご紹介します。

2.脂質とは

そもそも脂質とは、脂肪酸とグリセリンが結合した化合物で、糖質やタンパク質と並ぶ三大栄養素の一つです。
生体成分のうち水に溶けない物質で非常に多くの種類があり、少量でも体内で多くのエネルギーが得られる効率的なエネルギー源として作用するほか、細胞膜を構成する成分や生理活性物質として働きます。
脂質には体内で合成できない必須脂肪酸が含まれていて、細胞膜の成分やホルモンの材料として利用されるため、不足すると皮膚の健康や発育に悪影響が及びます。
脂質は中性脂肪などの単純脂質、リン脂質やリポタンパク質などの複合脂質、脂肪酸やコレステロールなどを含むステロイドといった誘導脂質に大別されます。
食事から摂取した脂質は主に小腸で消化され、脂質の種類ごとに吸収されたのち、体内のエネルギー源として利用されるなどの役割を果たします。
使われずに余った分は中性脂肪として体内に蓄積されるため、脂質を多く摂り過ぎると肥満を招く原因となるので摂取量には注意する必要があるわけです。

3.ゴマに含まれている脂質について

ゴマの約半分を占める脂質を構成しているのは、植物由来の油や魚の脂に含有量が多い不飽和脂肪酸で、主にリノール酸とオレイン酸といった脂質が含まれています。
ここではそれぞれの特徴などについてご紹介します。

3-1.リノール酸とは
ゴマの脂質を構成する不飽和脂肪酸とは、常温でも液状を保つ性質がある成分で、体内で合成できる「一価不飽和脂肪酸」と、体内で合成できない「多価不飽和脂肪酸」とに分けられます。
ゴマに含まれるリノール酸とは、オメガ-6系に分類される多価不飽和脂肪酸で、人体内では合成できず食品からの摂取が必要な必須脂肪酸の一つです。
リノール酸はもう一種の必須脂肪酸であるオメガ-3脂肪酸と連携して作用し、免疫機能の調整などの役割を担っています。
リノール酸には血中のLDL(悪玉コレステロール)を溶解して排出する働きや過酸化脂質の発生を防ぐ効果があります。
そのためLDLの血中濃度や血圧を下げるために有効ですが、摂り過ぎるとHDL(善玉コレステロール)まで減少させ、免疫細胞が働きにくくなることがわかっています。
すると花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性炎症疾患を招きやすくなるほか、動脈硬化や心疾患などを誘発する可能性も指摘されています。

3-1-1.リノール酸の過不足の影響とは
ゴマなどの種実類に豊富なリノール酸は、グレープシードオイルや大豆油などの植物油にも多く含まれています。
リノール酸を含む植物油は、一般に揚げ物や炒め物などの調理に使用されているため、油を使った食事を摂る人であれば不足の心配はありません。
逆に、調理で使用される油のほとんどがリノール酸を多く含んでいるので、現代の食生活ではむしろ摂り過ぎを問われる場合が多いのが実情です。
とはいえ、リノール酸は血中のコレステロールのバランスを取る機能もあるため、リノール酸が減少すると相対的にLDLが増加してしまうわけです。
現代では過剰摂取が問題視されている脂質であるものの、大幅に不足すると肌の乾燥や皮膚炎などのトラブルを招きやすくなります。
LDLはホルモンの構成成分としての働きもある、人体に必要な脂質ですが、必要以上に増えると肥満や動脈硬化の原因になるため、リノール酸は高品質なものを適度に摂るのが重要なのです。

3-2.オレイン酸とは
リノール酸に次いで、ゴマに多く含まれているオレイン酸とは、オメガ-9系の一価不飽和脂肪酸に分類され、油脂から摂取するほかに体内でも合成される脂質です。
オレイン酸は小腸で消化・吸収されにくい性質があるため、ぜん動運動を活発にし、便秘を解消する効果が期待できます。
また、オレイン酸は酸化しにくく加熱調理に適しているのが特徴で、ゴマに含まれている脂肪酸が酸化しにくい性質があるのは、このオレイン酸が含まれているためです。
オレイン酸には血中のHDL濃度を保ったままLDL濃度を下げる作用があり、動脈硬化や高血圧といった生活習慣病の予防に効果が期待できます。
注意したいのはオレイン酸自身も脂質であり、牛脂や豚脂にも含まれるので、摂り過ぎると肥満のリスクを高めたり中性脂肪を増加させたりする点です。
健康を保つには、オレイン酸などの一価不飽和脂肪酸や動物性脂質のバランスのよい摂取が大切になるわけです。
ゴマに含まれる脂質を構成する不飽和脂肪酸は、人体に有益な効能がありますが、適度な摂取を心がけるのをおすすめします。